オタクならではの面白い結婚式を行いました

オタクな彼との結婚式はひと味違っていました

私が結婚しようと決めた人は、所謂『オタク』という人種でした。出会いは友達につきあって参加したある漫画のファンのオフ会です。その会の主催者が彼でした。彼の最初の印象は目が合わない人だな、嫌われてるのかなあ、というあまり良くないものでしたので、正直、その人とつきあって更に結婚まですることになるなんて、全然、想像もしていなかったのです。だけど、今まで出会った他の男性とは違う誠実さや優しさに、段々とこの人しかいない、という気持ちになっていき、私から告白して交際が始まりました。

少女漫画好きではあるものの、オタクという程のレベルではない私にとって彼とのおつきあいは驚きの連続でした。そしてそんな彼との結婚式はやはりひと味違っていたのです。まずひとつめの驚きは衣装でした。二人で衣装を選びに行った時、私はもともとこういうのが着たいというイメージがあったのですんなりと決まったのですが、彼はというと、何やら悩んでいる様子でした。どうかしたの、と聞いてみると言いにくそうに、タキシードじゃない着たい衣装があるんだけど、とぼそぼそと希望を口にしました。

服装に興味のない彼にしては珍しいことでした。もちろん、せっかくの結婚式なのですから彼にも楽しんで欲しい。だから、無理にタキシードじゃなくても好きなのを着ればいいじゃないと勧めました。その衣装の発注先が彼の友人なのは少し気になりましたけど、きっと洋裁士さんか何かなのねと気楽に考えていました。やがて、仕上がってきたのは、なんと軍服でした。もちろん、本物のではなくアニメのキャラクターの軍服です。彼の友人は趣味でコスプレイヤーの衣装を作っている人だったのでした。

もうひとつはBGMです。すべて彼にまかせていたのですが入場の時の曲が『飛べ!ガンダム』だったのにはぎょっとしました。他のもたぶん、私にはよくわからないのですが、アニメやゲームの曲だったようです。彼の友人席の人達が音楽が変わるたびに、盛り上がっていましたので。友人代表の方のスピーチでも、まさか、彼が生身の女性に興味を持つとはと仰った瞬間、謎の拍手が友人席から沸き起こりました。私はなんだかものすごい人と結婚しちゃったなーと笑っちゃいました。

披露宴も終わりに近づき、彼が来賓の方々に謝辞を披露する番となりました。軍服姿で、いつもは猫背の彼が一生懸命背筋を伸ばして話す姿はさすがに凛々しく見えました。皆さんをお見送りする時には彼のお友達から『こいつ、たぶん三次元の女で好きになるのは●さんだけだからどうか見捨てないでやってね』とか『どうか、こいつが集めたフィギュア捨てないでやってね』と、まじめな顔で彼のことを頼まれてしまい、これからの結婚生活は楽しいものになるだろうなあ、と思いつつも、ちょっぴり戦々恐々としている私なのでした。